第32話「大久保ライブチャットF」M男くんと、エセS女。
セクキャバ嬢の昼の顔、ちょっと気になりません?現役の接客時に話題にのぼることも多々ございました、今回は風俗嬢の昼の顔についてのお話をお届けしたいと思います。
「昼、何してるの?」という会話。
初めて接客させていただくお客様から聞かれることが多いのが、本名や年齢と並んで、昼職のこと。「昼間は何してるの?」という風に、ちょっとした会話のネタとして聞かれることが多々ございました。
わたしの場合ですが、「昼ですか?寝てますねー。」と答えるのが定石でした。色気もなにも、あったものではございません。そういうことを聞かれている訳ではないということも、きちんと分かってはおりましたが。
当時かけもちしていたバイトは、PCオペレーターという名目の出会い系サクラでした。取り立てて話題にするほどの昼の過ごし方をしていなかったのです。
若かりし頃、お客様に昼職について聞かれた時に一度だけ「昼?出会い系のサクラしてますよー☆」と正直に答えたことがございます。それを聞いたお客様は、途端にわたしに対して冷たい態度を取るようになってしまいました。一瞬にしてロシアにワープでもしたのかしらと錯覚いたしましたが、そのお客様はおそらくそちらの世界に大変な嫌悪感を抱いていらしたのでしょう。
そんな面倒な一件があって以来、わたしは正直に昼職の話をすることをやめました。聞かれたから、答えたのに。ぷんぷん。
風俗嬢の昼職で多いのは、やっぱり学生。
わたしが出会ってきた中では、昼は学生をしている嬢が多かったように感じます。高校卒業時に進学を選ばなかったわたしは「昼は学生、夜は嬢だなんて、なんてドラマチックなんだろう!」と感じ、その影ある人生のあり方にちょっとだけ憧れたものです。
ときおり、主婦の方に出会うこともありました。働いている理由までを聞くことはできませんでしたが、やはり旦那さんの目をごまかして嬢をしているケースが多いみたいですね。そりゃ、言えないですよね。
異色の職業につく嬢たち。
歌舞伎町セクキャバG店のナンバー1嬢が引退するという時期に居合わせる機会があったのですが、その方はもともと舞台役者としてご活躍されていたのだそう。周囲を和ませるような彼女のお人柄に、その引退を惜しむのはお客様ばかりではありませんでした。
またこれまでに聞いた中で際立ってインパクトの強かった職業は、CADオペレーターでしょうか。「そんなしっかりした肩書きの人が、何故ココに!」と、心の底から驚いたことを今でも覚えています。
同人作家の方もいらっしゃいました。漫画家の方です。その方とはさほど交流がなかったため作品を見せてもらえるような機会もなかったのですが、作家としての活動のかたわらで風俗嬢として働いているとのこと。
同人作家さんって、ローカルなファン層を取り込むことができればとても儲かる職業なんですよね?と、勝手なイメージを抱いています。その方は出勤頻度もさほど高くはありませんでしたので、お金に困っているわけではなかったのかも知れません。
クラシックのオーケストラで活躍されている、演奏家の方もいらっしゃいました。一度だけコンサートにお招きいただき足を運んだことがあります。コンサートはとても素晴らしいものでした。ですがそのかたわらで、チケットを捌くのがとても大変そうにお見受けしました。
そうそう明かされることのない、風俗嬢の昼の過ごし方。どこまで深く聞き出せるのかは、殿方のウデ次第なのかも知れませんね。
文|カサイユウ(ライター・元風俗嬢)
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