風俗で働いてて怖いことの1つは家族バレじゃないかと思う。家族にバレると仕事に反対されたり、実家に連れ戻されたり大騒ぎになりかねない。
沢山の風俗嬢が恐れるそれを盛大に、しかも家族全員にバレた話を今日はしようと思う。
私物にご用心
私は仕事の備品を自分で買ってお店に持ち込んでいた。もちろんお店で買えるものはお店で頼むんだけど、ラテックス製のコンドームがお店に頼めなくて、家のクローゼットに大量に保管していた。
そこに時々母が家に泊まりに来ていた。私の部屋で寝起きしてもらっていたけど、クローゼットの奥底は見ないだろうと思って、特に警戒はしていなかった。
別に何も言われること無く、バレてる素振りも無かったのに電話が掛かってきた。「あんた変な仕事してるんじゃないでしょうね?」
「なんで?してないよ?」「弟が姉ちゃんが変な店で働いてるって騒いでるよ。あんた、何の仕事してるの?」
実は私が何の仕事をしてるのか、家族に一切話していなかった。もちろん
ソープで働いてるってことじゃなくて、フェイクの仕事すら教えていなかった。いい歳の娘が職業不詳でも放置しておく親もどうかと思う。
「あんたの部屋に沢山なんか隠してあるでしょう。あんたそんな仕事してるんじゃないの?」母に言われてもイマイチなんの事かピンとこなかった。でも隠してるものはスキンしか無い。
知らないとか、勘違いだとか言ってとりあえず電話を切る。まだ確信してる様子はなかったし、当時私は既婚者。旦那の居る身ならコンドームを持っててもおかしくない。数は業務用レベルだけど、まだ新婚だからお盛んで…で押し切ろうと思っていた。
何で弟が知ってる?
でも気になったのは弟が騒いでたということ。弟は風俗遊びをするようなタイプじゃない。可愛い彼女の尻に敷かれて、下僕のようにまとわりつく子だ。遊んだりはしないだろうから、お店のHPで写真を見たりする可能性もない。
それに私の写真を見て本人だと気づく人はまず居ない。秀逸なライティングと普段は絶対着ない白のサンドレス姿の写真は、旦那すら私だとわからなかった(笑)そんなわけで、考えても思いつかないから弟を呼び出すことにした。
久々に会った弟は「〇〇知ってる?」と弟の同級生の事を私に聞いてきた。私と弟は進学先が違う。だから弟の同級生はほとんど知らない。
「〇〇、姉ちゃんに会ったらしくて俺に連絡してきたんだよ」って弟に言われてもさっぱり覚えてない。地元にも帰ってないし、接点があるとは思えない。そもそも私を知ってるのにもびっくりした。
私は学生時代ちょっとやんちゃで、学校に行かないで地元で遊んでばかりいた。その頃は弟はまだ中学生。バカなことばかりして遊び回っている私達は大馬鹿として有名だったらしい。私は知らなくても、中学生は一方的に知っている状態だったみたいだ。
そして私には特徴的ななまりがある。今でこそ標準語を話すけど、驚いたりするとなまりが出る。その話し方と珍しい出身地が仇になる。
私は全く気がついてなかったけど、弟の友達を接客してしまったらしい。彼は私の話し方で、アレ?ってなったらしい。それでもしかして…と思って出身地を聞いたらしい。なまりの関係上、出身地だけ本当の場所を話したら間違いない!って確信したらしい。
しこたま弟に怒られましたよ。「俺の友達と何してるんだ」と。「ナニしたんだよ」って答えたらマジで蹴られましたよ(笑)本当の事を答えたのに理不尽だと思う。
弟が友達に口止めをしたみたいだけど、その後どうなるのかは読めない。弟はカンカンだけど、仕事の内容そのものよりも友達と気まずいって事に怒っていた。
口を滑らせる
とりあえず怒りを鎮めた弟と和解したんだけど、弟が全方面にばらしてしまう。ついうっかり母に私の仕事のことを話してしまう。
母にプレゼントで鞄を送ったんだけど、母が「高そうで貰えないわー」と言ってるのに「姉ちゃんソープでめっちゃ稼いでるから余裕じゃね?」と弟が言ってしまった。
いい忘れたが私の弟は底抜けのバカだ。あいつよりバカな生き物を見たことがないレベルのバカだ。
母が取り乱して大騒ぎをしたのは言うまでもない。その時どんな話をしたのか覚えていないし、話した後に仕事を休んだり辞めた覚えはない。ありがたかったのは母が父に言わないでおいてくれたことだ。
実は父に仕事のことで何かを言われたことはない。でも私がソープで働きだしてからは一切プレゼントを受け取ってくれなくなった。正確に言うと使ってくれなくなった。
まだ喫茶店で働きながらデルヘルで働いてる頃は、誕生日プレゼントを持っていくと喜んでくれた。大したものは渡していない。お酒とかおつまみをよく渡した。
ソープで働きだして、父にお財布と鞄をプレゼントした。いつもなら神棚の下に飾った後すぐに使い出すのに、使わなくなった。なんなら神棚の下に飾らなくなった。
それを見て父は気づいてるんだろうと思って、私は触れていない。一回悪ふざけで、車をあげたら流石に乗るだろうと思って車を贈った。もちろん乗るわけはなく、結構本気のトーンで「物を買うより貯金しろ」と怒られた。
そんな風に家族に盛大にバレてもそんなに弊害はない。仕事は続けられたし、実家で気まずい思いはしなかった。ただバレたくなければ実家から遥か彼方に出稼ぎすればよかったと思う。それか吉原にずっと居ればよかった。木を隠すなら森の中だ。
私の家族は仕事を知ってからは何も言ってくることは無かった。でもランキングが上がると食事に呼んでくれる。ご馳走を並べて待っていてくれた。キープできるとお肉とか魚を贈ってくれた。
今考えるとどんな心境でお祝い会を開いてたのかは気になる。気まずそうというか、居心地の悪そうな父、小遣いをねだる弟、黙々と料理する母。思い返すと地獄じゃんって笑えてくる。
一番喜んでくれたのは引退した時。再婚してもソープ稼業を辞めない娘はこの先どうするのかと思っていたみたいだけど、仕事を辞めてプラプラしているのをとっても喜んでいた。無職になって喜ばれるって素晴らしい(笑)
風俗嬢が家族に仕事がバレるって悲壮感漂うイメージがある。でも実際はカラッとしている話の方をよく聞く。特に自分の親にバレる場合は。
いつかバレるなんてビクビクしないで、堂々と「私、今SEXワーカーやってるんだ」って親に電話できる時代が来たら楽だなーとは思う。