処女を捨てたい陰キャぼっち女子大生は、10万円を求め出会い系アプリでパパを探し始めた。
ほとんどのパパに10万は払えないと断られる中、とある一人のパパだけがOKしてくれた。
そして、パパ活をする日。
体力温存しておこうと思った矢先、渋谷に行きショッピングにのめりこんでしまったバカ大学生。
約束の時間まで数時間、大丈夫か?
へとへとバカ大学生
めっちゃ疲れた。
すごい、疲れた。
電車で渋谷に行き、109とベルシュカを楽しみ歩いて原宿へ。
歩くのにも疲れたし、服を大量に買ってしまって腕がとてつもなく痛い。
少し休憩して、また歩こうと思ったけどせっかく来た東京。
時間を無駄にできない!!
私は、足の裏がしびれ始めても、歩いているだけで痛くても歩き続けました。
時間は迫り、午後七時。
約束の時間は八時に新宿だったので、少し早めに新宿駅に行きました。
そして、荷物が多かったのでロッカーに預けることにしました。
あと、身分証明書。財布その他もろもろロッカーに入れ、私の所持品はペットボトル、スマホだけになりました。
ドキドキしながら新宿駅の中を探索する旅へ出ました。
やっぱ新宿ってすごいですね!
めっちゃ地雷系の人とかホストとかいました。
私の地元では絶対に見ることができないような人たち!
芸能人を見ている気分でした。
まあ、そんなことはいいんです。
ある問題が発生しました。
それは、私のスマホの、充電が、なかったのです。
充電、それは命。
そりゃ朝から、スマホのナビを使いまくっていたから充電減るよなー。
そうだ、こういうときのためにモバイルバッテリーを持ってきたんだ!!
パーカーのポッケごそごそ。
ズボンのポッケごそごそ。
見当たりません。
なぜかって?
それはロッカーに入れてしまったからである!!
彼女は本当にバカでした。(何回目?)
やばいやばい、あと10パーセントしかないよ!!
と焦っていると、羽振りが良いパパ。
これから羽振りパパと呼ぶことにします。
羽振りパパから、『今どこですか?』
と連絡が来ました。
現在時刻午後7時40分。
『ホテルにつきましたよ』
時間は刻刻と迫っていたのです。
約束の時間
ホテルに着いた羽振りパパに
『今、新宿駅に居ます。急いでホテルに向かいます』
と連絡を入れて、新宿駅を出ました。
流石にホテルの場所はわからなかったためスマホのナビを使いました。
そのホテルは、ホストクラブ?(なんかダイヤみたいな壁してる店?)
の近くにありました。
ドキドキしながら、ホストクラブがある角を曲がると目的地であるホテルが出てきました。
『ホテル前につきました。グレーのパーカーにスキニーパンツです。』
と連絡を入れると、ほんとすぐに
「ゆきさん(私の偽名)ですか?」
黒縁メガネの40代ぐらいの男性に声をかけられました。
その人はダメージジーンズを着て黒いパーカーを着ていました。
なんか、印象と違うな、と思いつつ
「あ、はい!」
返事を返すと、
「ではこちらに。」
とホテルの前を通り過ぎました。
……ん?
「この車の中に社長乗ってるので、ね?車に乗って。」
ん!?!?!?
なぜか月極駐車場に止まっている大きな黒いバンの前に案内されました。
命の危機
月極駐車場はそのラブホの前にありました。
東京の駐車場ってこんなに狭いんだという感想が一瞬よぎったものの、今はそれどころではありませんでした。
ドラマなどで、誘拐犯が子供、女を誘拐する際に乗せるような大きい黒いバン。
めっちゃ怖い、なんで車に乗らなきゃいけないの!?
車内の中は見えず、メガネのおじさんがいっている社長の姿はうかがえない。
「えっと、AV撮影とかじゃないですよね……?」
「そんなわけないじゃんw乗って。」
「あ、乗りたくないです。」
「でも、車の中に社長いるし。」
「その社長さんを車の外に出してください。」
「いや、今雨降ってるし。」
「傘させばいいんじゃ……。」
いつでもこの人たちから逃げられるように一メートル以上の間隔をあけそのおじさんと交渉しました。
するとしぶとい私に観念したおじさんは車のスライドドアを開け、車の中に向かって声を掛けました。
すると、60代くらいのおじいさんが出てきました。
「怖がらせてしまってごめんね。この人は僕の部下なんだ。」
そのおじいさんは言いました。
おじいさんも眼鏡をかけていて、スーツを着ていました。
少し小太りで、ハゲではありませんでした。
この人が、羽振りパパ!
「全然、AVとかじゃないから大丈夫。」
「え、でも、なんで部下さんが来たんですか。」
「いやいや、そりゃあ社長なんだから、危ないでしょ。」
いやいやいやいや、じゃあ子供を買うなよ。
社長はそういうときにも部下を連れてくるものなんですか?
「その、部下さんはついてくるんですか?」
「いや、こいつは車で待ってるよ。」
「あ、えっと、御手当を確認させてもらっても?」
羽振りパパは胸ポケットから十万円以上の札束を取り出し、私に見せました。
「あ、ありがとうございます。」
「それじゃあ、行こうか。」
とりあえずお金を確認した私はすっかり安心し、羽振りパパに腰を抱かれながらホテルに入りました。
その際、部下さんがついてくるんじゃないかとドキドキしましたが、その部下さんはちゃんと車の中に戻っていったので、この人たちが言ってたことは本当だったんだ、と安心しました。
次回、本番!!